メンテナンス【オイルの裏話1】中東から愛車のエンジンへ。「液体パーツ」ヤマルーブを形成するベースオイルのロマン

こんにちは、YSP富山です!
先日の「オイル交換の完全予約制への移行」のお知らせでは、皆様のご理解とご協力をいただき本当にありがとうございます。

そのお知らせの中で、「中東情勢の緊迫による原材料への影響」というお話を少しだけ出させていただきました。

今回は、「そもそもバイクのオイルってどうやって作られているの?」「ベースオイルって何?」という、一歩踏み込んだオイルのロマンについてお話ししたいと思います。

これを読むと、次回のオイル交換が少し楽しみに変わるかもしれません!

1. オイルの性能の8割を決める「ベースオイル」ってなに?

エンジンオイルの缶の裏を見ると「化学合成油」「鉱物油」といった文字が書かれていますよね。
オイルというのは、大まかに言うと【ベースオイル(約80~90%)】+【添加剤(約10~20%)】という構成でできています。

つまり、ベースオイルはオイルの「命」であり、土台そのものです。これには大きく分けて3つのランクがあります。

鉱物油(こうぶつゆ):
原油を蒸留して精製した、昔ながらのオイル。コストパフォーマンスに優れますが、分子の大きさがバラバラなため、超高回転・高温になる現代のスポーツバイクには少々過酷な場合も。

化学合成油(シンセティック):
化学的に分子の形を綺麗に揃えて人工的に作り出した、最高峰のベースオイル。熱に圧倒的に強く、寒い冬の始動時から夏の過酷な渋滞まで、エンジンを完璧に守ります。

部分合成油:
鉱物油と化学合成油をバランスよくブレンドした、いいとこ取りのオイルです。

ヤマハの最高峰オイル「RS4GP」や、多くのスポーツバイクに推奨される「プレミアムシンセティック」は、もちろんこの最高ランクの化学合成油(100%化学合成油)がベースになっています。

2. 遥か中東から日本へ。ヤマルーブができるまでの旅

日本で使われる原油の約9割は、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)といった中東地域から輸入されています。
遥か彼方から巨大なタンカーに乗って日本へやってきた原油は、最先端の精製工場へと運ばれます。

そこで高度な技術(水素を反応させて不純物を極限まで取り除く「高度水素化分解」など)を経て、分子レベルでパズルのように組み替えられ、極上の「化学合成ベースオイル」へと生まれ変わるのです。

世界中から集まる「秘伝のタレ(添加剤)」
極上のベースオイルができただけでは、まだヤマルーブにはなりません。
ここに、泡立ちを抑える成分や、金属の摩耗を防ぐ成分など、世界各地(主にアメリカなどの添加剤メジャー)から厳選して集められた特殊な添加剤が絶妙なバランスで配合されます。

現在の中東情勢緊迫によって海上物流が混乱すると、この「ベースオイルの原料」や「世界中から集まる添加剤」の航路が影響を受け、1滴のオイルを作るのにも時間がかかってしまう……という背景があるのです。

3. 四輪用とはワケが違う!二輪専用オイル「液体パーツ」の証明

「車用の高いオイルをバイクに入れてもいいの?」という質問をたまにいただきますが、答案は「絶対にNG」です。

車のオイルは「エンジン」だけを潤滑すれば良いのですが、バイク(一般的なマニュアル車)のオイルは、1種類で以下の3つを同時にこなさなければなりません。

超高回転まで回る「エンジン」の潤滑と保護

ガチャガチャと激しく噛み合う「ミッションギア」の保護

パワーを後輪に伝える「クラッチ」の滑り防止と冷却

車用のオイルを入れると、クラッチが滑って進まなくなったり、ミッションの強力な圧力にオイルが耐えきれず、ギタギタに引き裂かれてサラサラの水になってしまいます。

ヤマハの「ヤマルーブ」は、バイクのエンジンを開発しているエンジニア自身が「このバイクのパーツの一部」として開発しています。だからこそ、ミッションを滑らかにつなぎ、高回転でも油膜が切れず、クラッチを最適に繋ぐことができるのです。

最高のオイルを、最高の状態であなたへ

遥か中東の海を渡り、世界中の最先端技術でブレンドされて届くヤマルーブ。
私たちは、この貴重で素晴らしい「液体パーツ」を、皆様の愛車に1滴も無駄なく、一番新鮮な状態で供給したいと考えています。

だからこその「完全予約制」への移行でもあります。

「そろそろオイル交換の時期かな?」と思ったら、ぜひお気軽にホームページ、お電話からピットの予約を入れてくださいね。
皆様の愛車のポテンシャルを100%引き出すお手伝いを、責任持ってさせていただきます!

それでは、皆様のご予約をスタッフ一同、心よりお待ちしております。